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Q71 女3人姉妹の長女です。
結婚するにあたり、
彼が私の苗字を名乗ってくれることになりました。
両親は「婿養子が来る!」と嬉しそうですが、
婿と婿養子はどう違うのでしょうか?
なお、次女と三女はすでに結婚して、
それぞれの夫の苗字を名乗っています。
A 「婿」とは、娘の夫。
娘との「婚姻届」を出した人。
「婿養子」は、「婿」プラス「養子」。
一般的には
①「養子縁組届」、
プラス②「婚姻届」。
同時に届出しても、
養子縁組をしてから婚姻する、
という順番にすることが一般的。
「婿養子」になる男性は、
妻になる人の両親と「養子縁組届」を出してから、
妻になる人と「婚姻届」を出します。
「養子縁組届」をすることで、
妻になる人の両親と親子関係ができます。
ここで、養子は養親の苗字に変わります。
ということは、
妻になる人と同じ苗字になるということ。
鈴木二郎さんは、
田中花子さんの両親と養子縁組届を出したことにより、
田中二郎さんになります。
その後、「婚姻届」を出します。
田中二郎さんと田中花子さんの結婚です。
妻の両親から見ると、
養子と実子(じっし。実の子)が結婚したことになります。
養子縁組をしたことで、妻の両親とは親子です。
扶養義務とか、相続権など、
養子は実子と同じ権利関係になります。
特に相続権は要注意!
両親が亡くなった後、
娘3人で相続するつもりであったとしても、
養子縁組をしたことにより、
養子を含めた、4人で相続することになります。
ということは、
次女と三女は「権利は3分の1」と思っていたのが、
「4分の1」に減ってしまうわけです。
養子縁組をする場合には、
他の実子たちの了解を得ておきましょう。
もし、苗字にこだわっているだけであれば、
「婿養子」ではなく、「婿」だけでも良いです。
妻の両親の養子になることなく、妻と結婚するだけ。
ですから、「養子縁組届」は出しません。
妻の両親と、親子関係はできません。
「婿養子」ではなく「婿」だけ、というのは、
「婚姻届」の「婚姻後の夫婦の氏」の欄にある、
「夫の氏」か「妻の氏」かを選ぶところで、
「妻の氏」にチェックをいれるだけです。
これで鈴木二郎さんと田中花子さんは結婚して、
「婚姻後の夫婦の氏」は「妻の氏」を選んだので、
夫・田中二郎さんと妻・田中花子さんになったわけです。
二郎さんは花子さんのお婿さんになりました。
「婚姻届」の「婚姻後の夫婦の氏」の欄で、
「夫の氏」と「妻の氏」のどちらかを選びます。
選ばなかった方の人が選んだ方の人の氏に変わります。
これにより、夫婦のために新しく作られる戸籍の
筆頭者が決まります。
筆頭者とは、戸籍の一番上に記載される人のことです。
「夫の氏」を選ぶと、戸籍の筆頭者は夫。
一番上に夫が記載され、次に「妻」が記載されます。
「妻の氏」を選ぶと、戸籍の筆頭者は妻。
一番上に妻が記載され、次に「夫」が記載されます。
新しい戸籍ですが、
妻の戸籍に夫が入ったように見えます。
「婿養子」になる場合、
“「養子縁組届」を出して田中二郎になった夫と
田中花子が結婚するので、
「婚姻届」の「婚姻後の夫婦の氏」の欄は
「妻の氏」を選びましょう“と
説明しているHPなどがありますが、
一般的には、「夫の氏」を選びます。
田中二郎と田中花子なので、
どちらを選んでも苗字は同じですが、
新しい戸籍の筆頭者が違います。
「夫の氏」にチェックを入れることで、
戸籍の筆頭者が夫・二郎になり、
2番目に妻・花子が記載されます。
戸籍の筆頭者など、
生活にはあまり関係ありません。
ただ、古くからの日本の習慣は、
なかなか変わりませんので、
夫・妻の順の方が一般的です。
「婿」と「婿養子」。
妻の両親から見ると、
「婿」は娘の夫。
「婿養子」は
自分たちの子(養子)、かつ、娘の夫。
「婿養子」には、相続権がある。
つまり”他の子たちの相続権が減る”
ということに
注意が必要です。
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