遺産を慈善団体へ寄付

戦争が起きています。災害も起きています。
大変な状況下にいる人のために少しでもできることをしたい、
そう思う方も多いでしょう。

自分の死後に、遺産を慈善団体へ寄付したい。
そう考えた場合には「遺贈」をします。
「遺贈」とは、遺言で贈与することです。

まず、寄付する相手先を選びます。
例えば「国境なき医師団」や「日本赤十字社」など。
金銭の寄付のみを受け付けている団体もあれば、
不動産などの金銭以外の遺産でも
受け付けている団体もあります。
一般には、金銭以外の物は換価して(売ってお金に換えて)
から寄付することが多いようです。

そして実際に寄付の手続きをしてくれる人
(「遺言執行者」と言います)を指定しておきます。
金銭以外の不動産などを換価して寄付する場合は特に
それができる人を指定しておくべきなので、
弁護士や司法書士を指定しておくのが良いでしょう。
信託銀行なども、
費用は高額ですが遺贈の手続きを代行してくれます。

慈善団体へ遺贈をする場合は、必ずそれが実行されるように
自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言にしておきましょう。
そして内容は遺留分を侵害していないか、
推定相続人(自分が亡くなったら相続人となる人)
の了解は取れているかなど
細心の注意をもって遺言を作成しましょう。
専門家に相談して作るのもお勧めです。

遺産を残した本人が、
生前に「残った財産は社会の役に立てて欲しい」
と言っていた場合、
相続人が遺産を相続してから寄付(相続財産寄付)
をすることもできます。

一定の慈善団体に遺贈をしたり、
相続税の申告期限内に相続財産寄付をした場合には、
相続税がかからないというメリットがあります。

ただ、金銭以外の不動産や株式などを
そのまま寄付した場合、
取得したときの価格よりも
寄付したときの価格が高ければ、
「みなし譲渡所得税」の課税対象となり、
相続人に税金がかかる場合があります。
金銭以外を寄付する場合には
税理士に相談してから行いましょう。