遺言を みつけて教唆 疑われ

教唆(きょうさ)とは、
「あることをするように
教え、そそのかすこと」

亡父の介護は同居の長男夫婦が
行っていた。
そして・・・
長男の妻が、亡父の遺言を見つけた。
仏壇の引き出しにあったのだ。
父が自分で書いた遺言だ。

内容は、「面倒を看てくれた
長男の妻に300万円を遺贈する。
あとはすべて長男に相続させる。」

これには長女と次女が黙っていない!
「長男と長男の妻しか出て来ないなんて・・」
「これ、お兄ちゃん夫婦が
お父さんに無理矢理書かせたんでしょ!
お父さんが私たち姉妹のことを無視するなんて、
考えられない!」

遺言は自分の意思で、
自分の判断で作成するものです。
もし、この遺言が
父が思っていないことを
長男夫婦が無理矢理に書かせたのであれば、
無効になる可能性があります。

民法第891条4号
「詐欺又は脅迫によって、
被相続人に相続に関する遺言をさせた者」は、
相続欠格者となり、
相続人となることができません。

「詐欺」「脅迫」とまで行かなくても、
「無理矢理書かせた」のであれば、
遺言者の意思に反しているかも知れないので、
その遺言は、無効になることがあります。

「父が、自分の意思で、遺言した」ことを
ハッキリさせておくには、
やはり公正証書遺言がお勧めです。
「変な遺言があったから、もめてしまった」
とならないように、
きちんと公正証書遺言にしておきましょう。