「後見支援預金」って何? 

 

認知症などで判断力がなくなってしまうと、本人では「契約」をすることができなくなります。売ります・買います・あげます・もらいます…などができません。そして“銀行預金を引き出します”ということもできなくなります。よって、銀行預金は凍結。預け入れも引き出しも、解約もできません。

それでは困る、ということで成年後見制度を利用します。家庭裁判所で選任された成年後見人が、判断力のなくなった本人の代わりに銀行預金の引き出しや解約などをしてくれます。

ここで社会問題となっているのが、成年後見人による使い込み!

そこで、「通常使用しないお金は銀行に預けましょう」ということになりました。これが「後見支援信託・後見支援預金」です。お金の預け入れや引き出しには、「家庭裁判所の指示書」が必要です。この指示書がなければお金を引き出せないのですから、使い込みの防止になります。

もともと信託銀行だけが取り扱っていましたが(「後見支援信託」)、ここ2~3年で信用金庫や信用組合、それに地銀や都銀も「後見支援預金」を取り扱うようになりました。信託銀行では、「最低1000万円」などと下限が設けられているけれど、信用金庫等は1円から預金可能のところが多いこと、信託銀行よりも身近な「いつも使っている信用金庫・銀行等」で利用できること、口座管理手数料がかからない若しくは安いこと等により、「後見支援信託」よりも「後見支援預金」の方が使い勝手が良さそうです。 

と、ここまで「後見支援預金」の説明を、後見人の使い込みの防止と後見支援信託との比較からお話してきました。しかし…。

 「後見支援預金」は、成年後見制度のなかで利用する預金です。

そもそも、成年後見制度は、判断力のなくなった本人を守る制度(本人の家族を守ってはくれない)であり、家庭裁判所が関与します。加えて、「後見支援預金」を利用することになると、生活費以外のお金は家庭裁判所の指示書がなければ動かせません。

「どうも成年後見制度は使いにくそうだ。他に良い方法はないのかな?」とお考えの方に、選択肢に入れていただきたいのが「家族信託」です。

ただ、もう判断力がなくなってしまってからでは、「家族信託」は利用できません。

判断力がしっかりしているうちに、いろいろな制度を知って、自分や自分の家族に最適な制度を選ぶようにしていただきたいと思っています。