共有の実家を家族信託するには

 実家は、父と母の共有名義。

父と母は、今はなんとか二人で生活をしていますが、だんだん年老いてきたので、「いずれは施設へ入所したい。」と言っています。「家は、二人とも亡くなったときに残っていれば売って子供3人で分けてくれれば良い。もし施設の入所費用や介護費用に充てるために、先に売った方が良いのであれば、売ってくれて良い。」と言っています。

この父と母の気持ちを実現するためには、どうしたら良いでしょう。

 そうです!家族信託です!!

判断力がしっかりしているうちに、託してもらいましょう。

そして、今後、父と母が病気や認知症等で判断力が低下してしまっても、実家の管理をし、必要があるときには売却する、ということができるようにしておきましょう。

 ただ、今回のケースは実家が父と母の共有名義です。父と母から、どのようにして託してもらえば良いのでしょうか。

 この場合は、信託契約を2つ作成します。

一例を挙げます。

①実家の父の持分について。委託者(託す人):父、受託者(託される人):長女、受益者(利益を受ける人):父、第2受益者(父死亡の場合に利益を受ける人):母、帰属権利者(父母二人とも死亡の場合に財産をもらう人):子供3人。

②実家の母の持分について。委託者:母、受託者:長女、受益者:母、第2受益者:父、帰属権利者:子供3人。

 このように信託契約を2つ組むことで、管理は長女ひとりに託すことができます。父と母のどちらかが認知症等になってしまっても、あるいは二人ともそうなってしまっても、管理は長女の判断で継続していくことができ、必要なときには売却もできます。父と母のどちらかが死亡した場合には、生存している方に受益権が集まりますので、父と母の財産を最後まで二人のために使うことができます。

父と母の二人ともが死亡した場合には、法定相続人である子供3人が財産をもらうことにしておきます。