お墓を相続する?

Q69 子供2人、長女と次女で平等に相続しようとしています。ただ、先祖代々のお墓をどちらが相続したら良いか、悩んでいます。

A お墓や仏壇などは、「祭祀(さいし=先祖をまつること)財産」と言って、遺産分割で分ける財産とは別に考えます。

祭祀財産は、「祭祀の主宰者(さいしのしゅさいしゃ)」が承継します。誰が祭祀の主宰者になるのかは、①被相続人(今回亡くなった人)から指定されていた人、②慣習、③家庭裁判所に決めてもらう、となります。

亡父が生前に「長男に任せる」とか、「長男は東京だ。地元に残った次男に任せる」などと指定していた場合、あるいは遺言で「祭祀の主宰者に長女を指定する」としてあった場合には、その指定された人が祭祀の主宰者となり、祭祀財産を受け継ぎます。

被相続人の指定がない場合には、慣習に従います。親と同居していた子が受け継ぐのが慣習なのか、仕事を受け継いだ子が受け継ぐのが慣習なのか、あるいは他の方法か?その土地(被相続人の住所地等)の慣習に従って決めます。

被相続人の指定もなく、慣習もなければ、家庭裁判所が祭祀の主宰者を決めます。家庭裁判所は、相続人たちの生活関係や場所(同居かどうか、遠方か近隣か等)、受け継ぐ側の意思等を総合的に判断して指定することになります。

 

祭祀の主宰者となれば、お墓の維持管理や今後の法要、お寺とのお付き合いなどをしていかなければならないわけです。それには費用がかかります。この費用分を遺産分割する相続財産から分けるか否か、迷うところです。法的には祭祀財産は遺産分割する財産と別の財産ですので、祭祀の主宰者になったからといって、“当然、その費用分だけは財産をたくさんもらえるはずだ”ということはありません。“当然の権利”ではありませんが、それらを考慮して遺産分割することは、あり得ます。じょうずに話し合ってください。

 

できれば、父が元気なうちに、「相続人は長女と次女。二人とも結婚して苗字が変わっている。お墓はどうしたら良いかな~?」と考えておいてもらいましょう。そうすれば、父の希望を叶えることもできるでしょう。これも相続対策のひとつです。