介護費用はキャッシュカードで!

親が75歳になったら、やっておきたい、たくさんのこと!!

認知症になると、銀行預金は凍結されます。

銀行にとっては、それは本人の預金を守ること。本人の「預金を引き出します」という意思が確認できないのですから、他の人に勝手に預金を引き出させることはできません。

 

「死亡すると預金が凍結されるとは聞いていたけれど、認知症になったら凍結されてしまうとは、知らなかった」と言う方もいらっしゃいます。知らないから、銀行の窓口で「父が認知症になったので」とか、「母が認知症で」などと相談し、その結果、銀行預金が凍結されてしまった、となるわけです。

 

親が高齢になったら、せめてキャッシュカードを作り、その番号を教えてもらっておきましょう。自分でさっさと銀行へ行くことができない親に代わって、親の預金を引き出すことができます。

親の介護がはじまり、何かとお金が要る。そんなときにもキャッシュカードがあれば、親の銀行預金から介護費用を支払うことができます。

 

しかし、キャッシュカードは万能ではありません。

介護施設へ入所するときにかかる一時金。それはキャッシュカードの利用上限額を超えているかもしれません。

そして、介護施設の毎月の利用料の引き落とし。これは銀行で自動引き落としの手続きをしなくてはなりません。しかし親・本人はもう認知症で判断力がありませんから、その手続きができません。代わりに子が手続きを・・・することはできません。子が親の成年後見人になっていればできるでしょう。しかし、そうでなければ、できないのです。

結局子が自分の銀行預金から親の介護費用を自動引き落としにする。これは相当の負担になります。また、数人の子のうちのひとりだけが介護費用を支払うことになり、後々兄弟間でもめる基となることが多いです。

 

お金の話は親子といえども、なかなか難しいもの。しかし、だんだん高齢になっていく親。親が元気な今のうちに、「終活」を勧め、資産の棚卸しと今後のライフプランを話してみましょう。あらかじめ生前贈与をしてもらうのも一考でしょう。それが相続税対策にもつながるかもしれません。

 

「何もしない」のはお勧めしません。まず、話し合い。そしてキャッシュカード。できれば老後資金、相続対策・相続税対策まで、話ができるといいですね。