「父の財産は自宅とアパート1棟。相続のときに兄弟でもめるだろうな。今のうちにもらっておこうかな。」と考え、「生前相続」を検索します。

 しかし、残念ながら「生前相続」はあり得ません。なぜって、「相続」は人の死亡によって始まるのですから、「生前」にはできないのです。

 

 生前にできるのは、「贈与」または「売買」、そして「遺言」。

通常の、生きている間にする「贈与」は、死亡によって始まる「相続」、あるいは、遺言であげる「遺贈」や、死んだらあげる「」と区別して、「生前贈与」と呼ばれます。

 でも、贈与には贈与税がかかります。相続税に比べて、贈与税はとても高いです。3000万円のアパートを贈与してもらうと、1000万円を超える贈与税がかかります。

 また、「贈与」ではなく「売買」にするなら、たとえ親子間でも、きちんと売買代金を支払わなければなりません。不動産取得税もかかります。

 

 「結局、父が亡くなったときに相続するのが良いかな。でも、もめそうだから、せめて遺言はしてもらおう。」ということになります。そうですね!何もしないよりも、遺言をしてもらうことをお勧めします。

 遺言は、遺言をした人が死亡した後に効力を発揮します。「アパートを長男に相続させる」という遺言なら、父が死亡したらアパートは長男のものとなります。しかし、父が生きている間は、たとえ父が認知症になって判断力が全く無くなってしまっていても、アパートを長男が父の代わりにリフォームする、あるいは建て替える、などのことをすることはできません。

 

 実は、それらがすべてクリアできる、良い方法があるのです。

 それは、「家族信託」です!

 父(委託者)と長男(受託者)で家族信託契約を結びます。そうすれば、父の生前は、長男が父のアパートを管理・運用・処分することができます。父が認知症になってしまっても、アパートの管理は長男が託されているから、大丈夫!

 また、この家族信託契約で、父の死亡によりアパートが長男のものとなるようにしておくことができます。この場合の税金は、通常の相続税と同じです。

 ぜひ、「家族信託」をご検討ください。