母が認知症になったら、父に遺言してもらおう!

 父85歳、母83歳。

 父はまだしっかりしているけれど、母はずいぶん認知症が進み、判断力が無くなってきた。自宅の家と土地は、父名義。子供はふたり。親と同居している兄と、別に暮らしている弟。

 

 この状態の場合、何をしなければならないでしょうか?

 そう、それは、父に遺言をしてもらうことです。

 

 もし、父が遺言をしないまま亡くなってしまったら・・・。相続人である母と子供ふたりが、遺産分割協議をすることになります。

しかし、母は認知症で判断力が無い。そうなると、母は自分で遺産分割協議ができません。

遺産分割協議ができなければ、父の預金を解約できません。株や投資信託も換金できません。不動産の名義も変更できません。困りますね~。

 

 もちろん、遺産分割協議ができない母に代わって、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらい、手続きをすることはできます。

でも、手間も時間もかかります(準備から選任まで3~4カ月は必要でしょう)。

また、遺産分割協議に家庭裁判所が関与するので、母の相続分は守られ、「母は何も相続しない。子供ふたりで2分の1ずつ分けよう」などということはできません。

それに、遺産分割が終了しても、成年後見人の役目は終了しません。被後見人(母)が亡くなるまで、ずっと財産の管理をしてもらうことになります。

 

 成年後見人は、判断力が不十分な方の財産管理や身上監護をします。とても重要で、良い制度です。

 しかし、遺産分割協議をするためだけに成年後見制度を使うのは、実は、お勧めしません。

 

 「じゃあ、遺産分割協議ができないじゃないか!」ということになりますが、そもそも遺産分割協議をしなくても済むように、ちゃんとした遺言をしてもらえば良いわけです。

 法定相続人の中に、判断力が無くて遺産分割協議ができない人がいる場合には、遺言、「公正証書遺言」をしてもらいましょう。遺言があれば、遺産分割協議をする必要がありません。

 

 “遺産分割協議ができなくて困る”ことがわかっているのですから、それを回避するために、是非!公正証書遺言をしてもらいましょう。