相続できない人:相続欠格者(遺言の偽造関係)

Q51 亡父の遺言を兄が見せてくれましたが、本物とは思えません。兄が父の遺言を偽造していた場合でも、兄は相続できるのでしょうか?
A 亡父の遺言を偽造した子は、「相続欠格者」となり、相続人となることはできません。

 「相続欠格者」の『遺言の偽造関係』の場合に当てはまります。

  1. 詐欺や強迫によって、被相続人の遺言の作成や取り消し、変更等を妨害した者
  2. 詐欺や強迫によって、被相続人に遺言をさせ、または取り消させ、変更等をさせた者
  3. 自分が不利益になることを避けるために、被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者

 

 

 遺言は、遺言をする人が自分の意思で作るものです。もし、詐欺や強迫によって作ってしまったのであれば、すぐに作り直しましょう。遺言は日付の後のものが優先します。遺言を作り直す場合には、はっきりわかるように、「平成〇年〇月〇日付けの遺言はすべて撤回し、次の通り遺言する」等、明記しておきましょう。

 

 詐欺や強迫をした人は、「相続欠格者」となり、相続することができなくなります。

また、「相続欠格者」は、「遺贈」(遺言で贈与をすること)によって財産をもらうこともできません。