「終の棲家」となる施設・ならない施設

親が75歳になったら、やっておきたい、たくさんのこと!!
「終の棲家」となる施設・ならない施設

 「終の棲家(ついのすみか)」となるつもりで入所したのに、認知症が重くなったら、「出て行ってください」と言われてしまった!では困ります。

 

 老人福祉施設には、いろいろな種類があり、終の棲家となるものとならないものがあります。

 

 特養と呼ばれる、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」。これは終身居ることができますので、終の棲家となり得ます。

 

 一方、老健と呼ばれる、「介護老人保健施設」。ここは、もともと家庭復帰をめざす施設ですので、終身居ることはできません。つまり、終の棲家とはなりません。

 他にもケアハウスやグループホームなどがありますが、いずれも終身居ることはできず、終の棲家とはなりません。

 このような施設では、病気になったり、認知症が進んでしまったりした場合には、病院や特養への移転を迫られることになります。

 

 有料老人ホームは、施設によって、まちまち。

「ウチは、みとり(死を看取ること)をします」という施設なのか、「ウチは、みとりはしません。すぐに救急車を呼びます。」という施設なのかということは、入所するときに確認しておくべきことの一つです。

 「ウチはみとりをします」という施設でも、もちろん本人や家族が希望すれば、いざというときにすぐに救急車を呼んで、病院へ運んでもらうことができます。

 「ウチはみとりをします」という施設で、本人も「ここで最期を迎えたい」と思っている場合、それを家族全員がわかっている必要があります。

 家族の中に、「なぜ一刻も早く救急車を呼んでくれなかったのか?!だから死期が早まってしまったのだ!この施設を訴えてやる!!」などと言う人がいては、たいへんです。

 「みとり」に対してどんな対応をする施設なのか、本人はどう思っているのか、家族はどう考えているのか。

終の棲家の選定には、情報と家族のコミュニケーションが必要です。