「KATOKU」を譲る?

 親が75歳になったら、やっておきたい、たくさんのこと!!
 
「KATOKU」を譲る?

 ミュージシャンのレキシさんの歌に、「KATOKU」がありますね。「君に家督を譲りたい」と歌っています。

 

 旧民法時代の「家」制度における戸主の地位を「家督」といい、それをひとりの人が受継ぐ、家督相続。男と女では男が優先、年長者と年少者では年長者が優先。つまり、長男が家督を受け継ぐという制度です。

この家督相続の制度は、今の民法ができたとき、昭和22年5月3日に廃止されています。

 ということは、もう70年も前に、「家督」という概念は消滅しているのです。

 

もちろん、レキシさんは歴史を歌っているわけで、現在のことを歌っているのではありませんが、今の70代以上の方の頭の中は、現在も「家督」が生き残っているようなので、困るのです。

 自分は今の民法の時代に育っているのに、旧民法の時代のことを父や祖父から教えられ、言われ続け、「家督を受継ぐのだ」という考えになってしまっているのでしょう。

 

 今の民法では子供の相続権は平等です。子の相続分を、子供が2人なら2分の1ずつ。3人なら3分の1ずつ。人数割です。

 しかし、自宅がひとつで子供が3人。どうやって分けますか?これが相続問題です。そこへ「長男が受継ぐに決まっている!そうしろ!」などという考えを押しつけられると、反ってもめたりします。

 

 親に「相続は、相続権は・・・」。そんな話を出すと、「まだまだ!ずっと先のことだ。それとも早く死んでほしいのか?!」などと言われてしまうかもしれません。しかし、とても大事なこと。まず、今の時点で、親がどのように考えているのか、聞いておくと良いですね。「なんとなく長男に全部継がせたいと思っている」のならば、「ではこれから次男には、長女には、次女にはどうしようか」という、次のことを考えることができます。まず今の親の気持ちを聞いてみましょう。