「なぜ、長男が家を継ぐのか」

Q38 父は、「長男が家を継ぐのは当りまえだ!昔からそう決まっている!と言います。長男ばかりが優遇されて、不公平だと思うのですが…。
A 「長男が家を継ぐ」というのは、昔の話。「昔からそう決まっている」のではなく、「昔はそう決まっていた(今は違う)」ということです。

今の民法ができたのは、昭和23年1月1日です。(昭和22年5月3日から昭和22年12月31日までは応急措置法。)

その前は旧民法。今の「日本国憲法」ではなく、「大日本帝国憲法」の時代の民法のことです。

 

  旧民法の時代は、いわゆる「家」という概念により、「家督を相続する」という規定でした。

  男と女では男が優先。年齢は、年長者が優先。つまり、長男が優先されるという制度でした。

 

 「長男が家を継ぐのだ!」というのは、昔の話。

「子供の権利は平等」という今の民法になってから、もう70年程経っています。

 でも、未だに「自宅は長男に相続させたい」、「財産は長男に守ってもらいたい」と思っている方がずいぶん多いようです。

小さい頃から「家は長男が継ぐものだ」と教えられて育っていると、考え方を変えるのは難しいのでしょう。