「ヘタな遺言」その1

父の遺言「全ての財産を長男に相続させる。」以上!終わり!!

えっ!!
ウチは3人兄弟。長男と二男、そして長女。
なのに、長男だけが財産を相続するの??!

そんな不公平は許されません!
これでは、「あとは3人でもめろ!裁判でもなんでも勝手にやれ!」と言っているようなもの。

「だって、昔から長男が家を継いできたじゃないか!」なんて思われるかもしれませんが、「昔から」そうではありません。「昔は」そうだったのです。
そう、「昔は」。昭和22年5月2日までは、旧民法でした。

その頃は「家制度」でした。家を継ぐのは、男と女では男が優先。直系(子・孫等)と傍系(兄弟姉妹・従兄弟等)では直系が優先。年齢は年長者(年上)が優先。つまり、長男が家を継ぐのです。

でも今の民法は違います。子供はみんな平等に権利があります。子供3人で相続する場合は、3分の1ずつの相続権があるのです。
知っていますよね!?だって、昭和22年!もう70年くらい前から、この平等の制度になっているのですから!

遺言で相続権を侵害された場合、遺留分の請求ができます。
ここから「相続でもめる」=争う家族の「争族」になっていくのです。