戸籍に離婚の記載がない!?

Q:再婚同士で婚姻届を出そうとしています。

戸籍謄本を取ったところ、
私の戸籍には離婚した妻の記載があるのに、
彼女の戸籍には離婚の記載がありません。

それどころか、出生の記載があるだけで、
結婚したことも、離婚したことも、
すべて載っていないのです。

彼女に聞いても「ふふふ」と微笑むだけ。
本当に彼女は結婚、離婚をしているのでしょうか?

A:戸籍が作り直されていますね。
戸籍を作り直すときには、
転記されずに消えてしまう項目があります。

以前、結婚して、離婚したことは、
転記されないで、消えてしまったのです。
本当に結婚、離婚していても
現在の戸籍には載っていない、ということです。

現在の戸籍の前の戸籍、
あるいはそのもうひとつ前の戸籍を調べていくと、
結婚、離婚したことが記載されているでしょう。

実際にあった事例です。
ある女性の戸籍が、たった1ヶ月の間だけ、
隣の市に転籍されていました。
1ヶ月後には、元の本籍地へ戻っていました。

いったい、何のために、
こんなことをしたのでしょう?

実は、この転籍により、戸籍が作り直され、
この女性の戸籍は、以前結婚して離婚したことが
きれいに消えたのです。

離婚のときに、親の戸籍に戻るのではなく、
新しい戸籍を作ることを選択できます。
すると、離婚した女性、一人だけの戸籍ができます。

ただ、この戸籍を作った理由として、
離婚した元夫の本籍と離婚の日付けが記載されます。
つまり、離婚したことがわかってしまいます。

そこで、他の市区町村へ転籍届を出します。
すると転籍後の戸籍には、この戸籍を作った理由として
転籍したこととその日付けが記載されます。

これで、もう結婚したことも離婚したことも、
一切記載されていない戸籍が出来上がるのです。

その後、元の本籍地へまた転籍をすれば、
「私の本籍はここ。戸籍謄本はこれ。」と、
きれいでさっぱりとした戸籍を見せることができます。

この女性は、戸籍の仕組みを
とても良く知っていたのですね。