父危篤 急いで行こう ATM

父が亡くなる寸前に、銀行預金を引き出す。
キャッシュカードがあり、
暗証番号を知っていれば、
ATMでお金を引き出すことが
できてしまいます。

「葬儀費用が必要だから、
現金を引き出しておこう。」
そう思ってATMへ急いで行く。
その気持ち、わかります!

注意しなければならないのは、
そうやって父の銀行預金から引き出した現金は、
「父のもの」だということです。

「父の遺産は、銀行預金1300万円」
となるはずが、
父が亡くなる直前に
300万円を引き出したとしたら、
「父の遺産は、銀行預金1000万円と、
現金300万円」となったのです。
決して、
「父の遺産は、銀行預金1000万円」だけに
なったのではありません。

遺産分割の対象は、
「銀行預金1000万円と現金300万円」です。
「現金を引き出した者勝ち」ではありません。

相続税の計算にも
同じことが言えます。
銀行預金の残高証明が
「1000万円」と出ても、
300万円の現金がありますよね!
相続税の計算には、
現金も入れなければなりません。
「脱税」と看做されると、
後から多くの追徴金がでることもあります。
気をつけましょう。