いらないよ 田舎の田畑(でんばた) 山山山

不動産を「負動産」と書くことがあります。

親世代より前では、考えられないことかもしれません。
以前は、不動産があれば「土地持ち」と称され、
財産家と見られていました。

今は違います。
自分にとって利用価値のない土地は、
ただ固定資産税がかかるだけの
「負動産」なのです。

預貯金や価値のある土地建物は相続したいけれど、
田舎の田んぼや畑、それに山なんていう
「負動産」は、相続したくない、と思いますね。
「僕、田畑を相続するのは、放棄するよ」と
言いたいところです。
しかし、
「相続財産のうち欲しい物だけ相続し、
いらない田畑や山は相続しない」というのは、
認められません。
相続放棄は、全てを放棄し、
「相続人ではない」ことになるものです。
「一部の放棄」は認められません。

令和5年4月27日より、
「相続土地国庫帰属制度」が始まっています。
「相続によって土地の所有者となった人は、
その土地を国にあげることができる」という制度です。
この制度が始まる前に
相続で土地の所有者になった人も、
この制度を使うことができます。

ですから、
子どもに相続させても、
子どもが「いらない」と言うであろう、
「負動産」を持っている場合、
それが自分の親などから相続した土地であれば、
今、この制度を利用して、
土地を国のものにすることができます。

建物が建っていない、
他の人が通路などに利用していない、
がけ地ではない
土壌汚染や埋蔵物がない等、
条件がありますが、
「負動産を子どもに残したくない」
という気持ちがあるのなら、
検討してみるのも良いでしょう。