長男がふたりいる?

【実話】長男がふたり…!?銀行窓口で起きた、ちょっと驚く相続の話

「すみません、父の銀行預金を解約したいのですが…」

ある日、銀行の窓口にいらしたAさん。亡くなったお父様の預金を手続きするために来店されました。

ところが、その日対応した窓口スタッフが言ったのです。

「えっ?昨日、同じように“鈴木英雄様の長男”と名乗る方が来て、解約手続きの申し込みをされたんですが…」

Aさんは驚きました。

「え?いや、私がその“長男”なんですけど…?」


「長男がふたり」なんて、そんなことある?

実は――あるんです。
これ、実際にあったケースなんです。

昨日手続きをしたという「Tさん」も、亡くなった鈴木英雄さんの“長男”と記載された戸籍謄本を提出していました。

そして、今日来店したAさんも、同じように“長男”と記載された戸籍謄本を持参しています。

どちらも「長男」と書かれている。

父の名前も同じ「鈴木英雄」。
でも、戸籍で唯一異なる点がありました。

それは「母」の名前。

…そう、これは異母兄弟だったのです。


なぜ「長男」がふたり存在するのか?

この答えは、戸籍の“あるルール”にあります。

【ポイント】

戸籍でいう「長男・次男」は、家族全体での順位ではなく、一組の夫婦の間に生まれた子の順で決まるのです。

つまりこういうこと。

だから、どちらも戸籍上「長男」になるんです。


まとめ:相続や手続きで「長男」という表記を過信しない

「長男=ひとりしかいない」というのは、あくまで一般的な感覚。

でも、戸籍の世界では“夫婦ごとの最初の男子”が長男になるため、異母兄弟などがいる場合は、「長男」がふたり以上になるケースがあるのです。

今回のように銀行の手続きでは、戸籍をもとに本人確認を行うため、表面的な情報だけでは家族関係が正確に把握できないこともあります。


最後に

家族の形はさまざま。
そして、戸籍の表記にもルールがあります。

「うちは大丈夫」と思っていても、相続や手続きの場面では思わぬ落とし穴があることも。

今回のお話が、そんな家族の“見えない関係”に少し目を向けるきっかけになればうれしいです。